属目・嘱目・矚目（読み）しょくもく

精選版 日本国語大辞典

しょく‐もく【属目・嘱目・矚目】

〘名〙

① 目にふれること。また、ある物に目を向けること。

※万葉（８Ｃ後）一八・四〇七二・左注「右此夕月光遅流和風稍扇。即因_二属目_一聊作_二此歌_一也」

※経国美談（1883‐84）〈矢野龍渓〉後「満場衆員の最も属目する所は」 〔漢書‐蓋寛饒伝〕

② 俳諧で、目に触れたものを即興的に吟じること。「嘱目の吟」

※春園（1937）〈横光利一〉「泰太郎は俳句は作ったことがなかったから、このときを機会にやってみようと思って〈略〉熱心になった。題は秋の嘱目といふのだった」

③ その人が将来どのように発展するか期待して見守ること。

※大鳥圭介南柯の夢（1955）〈河上徹太郎〉一二「仙台の精兵で、武器も精良だったので、藩から嘱目されてゐたが」

出典　精選版 日本国語大辞典