山伏山町（読み）やまぶしやまちよう

日本歴史地名大系

山伏山町
やまぶしやまちよう

• 京都市：中京区
• 明倫学区
• 山伏山町

中京区室町通蛸薬師下ル

南北に通る室町（むろまち）通（旧室町小路）を挟む両側町。北側は蛸薬師（たこやくし）通（旧四条坊門小路）、南側は一部錦小路（にしきこうじ）通（旧錦小路）に面する。

平安京の条坊では、左京四条三坊二保六町東及び同三保一一町西の地。平安中期以降は四条坊門室町小路の南にあたる。

元亀二年（一五七一）の上下京御膳方御月賄米寄帳（立入宗継文書）では、下京中組のなかに「山伏山町」とあり、また「年頭御拝礼参府濫觴之扣」（六角町文書）の天文六年（一五三七）正月三日の記録に、室町殿年頭拝礼の入目を中組が負担している。祇園会の山伏山を応仁の乱以前より当町から出している。

寛永一四年（一六三七）洛中絵図に「山伏山丁」とあり、以後変化はない。

近世、錦小路室町角に小庵があり、円空地蔵（一名団地蔵）(ゆめあわせ)が安置されていた。町有の「縁起」には、後一条天皇の時、皇太后宮上東門院が仏師定朝に造らせて持仏としたが、没後、侍尼真乗が宿所勘解由小路室町に一院を建立、安置した。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」