法螺貝(読み)ホラガイ

デジタル大辞泉 「法螺貝」の意味・読み・例文・類語

ほら‐がい〔‐がひ〕【×螺貝/吹螺/梭螺】

フジツガイ科の巻き貝。日本産の巻き貝では最大で、殻高30センチ以上になる。貝殻紡錘形で厚く、殻口が広い。表面は黄褐色の地に黒褐色などの半月斑が並び、光沢がある。ヒトデ類を餌とする。紀伊半島以南の暖海に広く分布。肉は食用。ほら。
1殻頂を削って穴をあけ、簡単な吹き口をつけたもの。修験者山中猛獣を追い払うために吹いたほか、法会や戦陣における合図などに用いた。ほら。

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精選版 日本国語大辞典 「法螺貝」の意味・読み・例文・類語

ほら‐がい‥がひ【法螺貝・吹螺・梭尾螺】

  1. 〘 名詞 〙
  2. アヤボラ科の巻き貝。紀伊半島以南の潮下帯のサンゴ礁に広く分布する。日本近海でとれる最大の巻き貝で、殻長約四〇センチメートルに達する。紡錘形を呈し、殻口は卵形で大きい。表面は光沢があり、黄褐色の地に多数の暗褐色の半月紋が並ぶ。肉は食用に、殻は古来、法会や戦陣に吹奏用として用いられた。ほら。ほらのかい。りゅうきゅうぼら。
    1. [初出の実例]「いかけぢにほらかひをすりたる御厨子」(出典:弁内侍日記(1278頃)建長三年)
  3. ほら(法螺)[ 一 ]
    1. [初出の実例]「山伏の腰に着けたるほらがひの」(出典:梁塵秘抄(1179頃)二)
  4. ( 形が似ているところから ) 男の帯の結び方。ほらのかい。
    1. [初出の実例]「色は少し黒ざやの帯をほらがひにして」(出典:洒落本・起原情語(1781))

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「法螺貝」の意味・わかりやすい解説

法螺貝
ほらがい

大型の巻貝の殻頂を切り,吹き口をつけて吹奏するホルン属の楽器。世界各地でおもに信号,合図に用いる。法螺梵語で śaṅkaといい,釈迦の説法が遠く響くことをたとえるもので,仏教では諸神を呼ぶための法具とされている。日本へは入唐の僧により密教儀式の法具として請来されたが,合戦での信号など仏教以外の場でも用いられた。修験道では行者のもつ主要な 12の道具のうちの一つであり,もとは山嶽修行の際,悪獣を避けるために用いた。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「法螺貝」の解説

法螺貝 (ホラガイ)

学名:Charonia tritonis
動物。フジツガイ科の巻き貝

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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