山木郷(読み)やまきごう

日本歴史地名大系 「山木郷」の解説

山木郷
やまきごう

中世の郷名。現韮山山木にらやまやまきに比定される。「吾妻鏡」治承四年(一一八〇)八月四日条によると、伊豆国「山木郷」に配流された平兼隆が、のちそこで平家の権を借りて山木判官と号し一帯を支配していたため、源頼朝は旗揚げに際しまず兼隆館を攻めるべく、絵図を入手して北条時政とその策を練っている。そして同月一七日山木館を襲い兼隆を討った(同書)。「源平盛衰記」巻二〇は「八牧」と記し、山木館を「八牧城」とも呼称している。館跡は浄土宗浄念じようねん寺の西側高台とされる。また挙兵時の「吾妻鏡」八月一七日条の記事に、山木兼隆を攻めるための行軍路として「牛鍬大路」がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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