山橘(読み)ヤマタチバナ

精選版 日本国語大辞典 「山橘」の意味・読み・例文・類語

やま‐たちばな【山橘】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 山にある橘。野生の橘。
    1. [初出の実例]「庭に木曾作るこひの薄衣〈羽笠〉 なつふかき山橘にさくら見ん〈荷兮〉」(出典:俳諧・冬の日(1685))
  3. 植物「ぼたん(牡丹)」の異名。〔本草和名(918頃)〕
  4. 植物「やぶこうじ(藪柑子)」の異名。《 季語・冬 》
    1. [初出の実例]「あしひきの山橘(やまたちばな)の色に出でよ語らひ継ぎて逢ふこともあらむ」(出典万葉集(8C後)四・六六九)

山橘の補助注記

は、専ら赤い実を詠まれる点が、花を詠まれる橘と異なる。挙例の「万葉集」のように「山橘」の「山」のために枕詞「あしひきの」が付くことが多く、実の赤さを、恋の思いに掛けることがほとんどである。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「山橘」の解説

山橘 (ヤマタチバナ)

植物。ミカン科の常緑有刺低木またはその果実総称ミカン別称

山地木 (ヤマタチバナ)

植物。藪柑子古名

山橘 (ヤマタチバナ)

植物。藪柑子の古名

也末多知婆奈 (ヤマタチバナ)

植物。藪柑子の古名

夜麻多知婆奈 (ヤマタチバナ)

植物。藪柑子の古名

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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