山立(読み)やまだち

精選版 日本国語大辞典 「山立」の意味・読み・例文・類語

やま‐だち【山立】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 山賊。また、山賊行為。
    1. [初出の実例]「海をわたるものは、悪風海賊にあはじとおもひ、山をあるく人、落馬、山だちをつつしむ」(出典:九冊本宝物集(1179頃)三)
  3. 狩人猟師。また、またぎ。
    1. [初出の実例]「此由緒を以て、山立は如何なる山岳へも、行かぬ処無く御免を得て居る」(出典:神を助けた話(1920)〈柳田国男〉六)

やま‐だて【山立】

  1. 〘 名詞 〙 航海目標を見定め、風向日和を考えて針路を決定する、航海長に相当する役。江戸時代では表仕・表役と呼ぶことが多い。〔船行要術(1505)〕

さん‐りつ【山立】

  1. 〘 名詞 〙 まっすぐに立つこと。どっしりと立つこと。〔礼記楽記

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普及版 字通 「山立」の読み・字形・画数・意味

【山立】さんりつ

不動。

字通「山」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の山立の言及

【山賊】より

…山中において旅人などの通行人から財物を奪取する強盗,またその集団。山立(やまだち),山落(やまおとし)ともいう。日本の中世には《御成敗式目》のいわゆる〈大犯(だいぼん)三箇条〉の付則条項に〈夜討,強盗,山賊,海賊〉があげられているように,山賊は公権力が禁圧の対象とした最も重い犯罪の一つとされていた。…

【猟師】より

…九州では〈りゅうし〉と発音して山猟をする者を区別し,あるいは山人(やまと)という。奥羽地方では山猟者に山立ちあるいはマタギの名がある。古代から近世までの猟師は生業であって娯楽ではなかったが,明治以後は野生鳥獣の激減によって狩人が激減し,これに代わって狩猟法の制定による遊猟すなわち娯楽のために狩猟免許をとって鳥獣を撃つ人々が著しく増加した。…

※「山立」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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