山門野村(読み)やまどのむら

日本歴史地名大系 「山門野村」の解説

山門野村
やまどのむら

[現在地名]東町山門野

川床かわとこ村の南に位置し、西は下山門野村(現長島町)、東方は黒之くろの瀬戸を挟んで九州本土の出水郷西目にしめ(現阿久根市)。村の西部を汐見しおみ川が南流し、黒之瀬戸には加世堂かせどう湾・火の浦ひのうらなどの入江が開ける。同瀬戸の入口、東シナ海に面する村の最南端には多々羅たたら島が浮ぶ。地内には古墳が多く、加世堂古墳・小向江こむかえ古墳・淵の尻ふちのじり古墳などがあり、汐見川の河岸段丘には四―五世紀の住居跡(三基)もある。元徳元年(一三二九)一一月二九日の鎮西下知状(島津他家文書)に「長島山田野」とみえ、同所などの領有をめぐり妙阿代種秀と蓮胤(種親)代種武(蓮種)とが争っているが、この山田野は当地にあたるか。文禄四年(一五九五)四月二六日、対馬宗義智に与えられた出水郡内知行方目録には長島のうちと肩書のある「山との村」高一二三石余・「かせと村」高一〇二石余がみえる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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