朝日日本歴史人物事典 「岡沢精」の解説
岡沢精
生年:弘化1.7.7(1844.8.20)
明治期の陸軍軍人。長州(萩)藩士岡沢甚内の長男として江戸藩邸に生まれる。戊辰戦争に参加したのち,明治4(1871)年御親兵の大隊長となる。西南戦争(1877)には中佐,別働第1旅団参謀長として出征。西部監軍部参謀,近衛参謀長などを歴任し,18年少将に進んで歩兵第8旅団長となる。24年陸軍次官兼軍務局長となるが,翌年病気のため休職,復職後は監軍部将校学校監,監軍部参謀長を務めた。日清戦争(1894~95)では大本営軍事内局長兼侍従武官として明治天皇の側近となり,中将に昇進して戦後,男爵を授けられた。天皇の信任が厚く29年初代の侍従武官長に任じられ,12年間その職にあった。37年に大将に進み,日露戦争(1904~05)後,子爵。日清・日露両戦争の戦歴もないのに大将になれたのは長州出身のおかげとも評される。
(戸部良一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報