事典 日本の地域ブランド・名産品 「岩谷堂箪笥」の解説
岩谷堂箪笥[木工]
いわやどうたんす
奥州市・盛岡市で製作されている。江戸時代の天明年間(1781年〜1789年)に、当時の岩谷堂城主・岩城村将が、米だけに頼る経済からの脱却を目的として、車付箪笥や長持などの木工品の商品化を家臣に研究させたことが岩谷堂箪笥の始まりとされる。その後、文政年間(1818年〜1830年)には鍛冶職人が彫金金具を考案し、金庫の役目を果たすため頑丈な金具が鍵として用いられた。最初は桐の模様が多かったが、次第に虎に竹・龍・花鳥など多くのデザインが開発された。明治時代になると、漆塗と飾り金具の美しい岩谷堂箪笥が評判となり、その伝統技術は現代に至るまで継承されている。1982(昭和57)年3月、通商産業大臣(現・経済産業大臣)によって国の伝統的工芸品に指定。
出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報