岩野辺村(読み)いわのべむら

日本歴史地名大系 「岩野辺村」の解説

岩野辺村
いわのべむら

[現在地名]千種町岩野辺村

千種川の支流岩野辺川流域に位置し、西は千草ちくさ町など。岩埜辺村とも記される(旧高旧領取調帳)。地元では「いわなべ」「ゆわなべ」ともいう。出雲国金屋子かなやご神社(現島根県広瀬町)は中国山地の産鉄地で厚く信仰され、新しい山で操業する時は村下(製鉄集団の責任者・技術長)が必ず参詣して分霊を勧請、祠を造り山内の安全を祈願したという。同社の祭文によると、高天たかまヶ原から金屋子神が降臨、民の安全・五穀豊穣などを願い、傍らの磐石を砕いて鍋を造ったため、この地を岩鍋と称したという。

慶長国絵図に「いわなへ」とみえる。領主変遷千草町と同じ。正保郷帳に岩野辺村とみえ、田方六三六石余・畠方一三六石余。延宝七年(一六七九)検地帳(岩野辺区有文書)では高八七四石余。寛保二年(一七四二)の宍粟郡村々高附(尾崎家文書)によると総反別六七町歩、千草谷一一ヵ村のうち最大の村で、上組・下組に分れていた。文政三年(一八二〇)の宗門人別改帳(岩野辺区有文書)では家数一四七・人数六五八。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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