布橋(読み)ぬのばし

日本歴史地名大系 「布橋」の解説

布橋
ぬのばし

うばどう(姥ヶ谷)に架かる丹塗の木橋。堂御宝前うばどうごほうぜんの橋・天の浮あめのうき橋などともよばれた。芦峅寺あしくらじの人々には日常生活のなかで渡られ、また立山登拝者たちもこの橋を渡って立山山中に向かった。江戸時代、毎年秋彼岸中日に閻魔堂と堂およびこの橋を利用し、女性の極楽浄土への往生を願って布橋灌頂会の法会が執行されたが、その際、橋に白布が敷かれることから布橋とよばれ、極楽浄土へ渡る掛橋とされた。いわば此岸と彼岸をつなぐ境界の橋と観念されていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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