クロー族(読み)クローぞく(英語表記)Crow

翻訳|Crow

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クロー族」の意味・わかりやすい解説

クロー族
クローぞく
Crow

ミズーリ川上流のイエローストーン川およびその支流地域に居住していた北アメリカインディアンの一民族。スー語を話す。かつてはヒダツァ族と隣接して暮していたが,18世紀初頭に別れて西方に移動した。3つのバンドから成ったが,本来は2つであったと考えられる。彼らの生活は野牛とウマが中心で,野牛は食糧衣服,テント,糸,容器,楯の材料を提供した。ウマの略奪をめぐって戦争が繰返された。食物や家屋,衣服の製作は女性の仕事であった。宗教生活では,断食やみずからの身体に串を刺すなどの荒行によって超自然的な幻視力を身につけ,守護神から呪物の束を授かることが最重要とされた。タバコは敵を打負かすために神から与えられたものとして儀礼的に栽培された。たばこ結社は,クロー族の多くの結社のなかでも,厳粛な入社式 (→イニシエーション ) と高い会費を必要としたが,原則として夫も妻も参加が認められていた。ブラックフット族ダコタ族,そして白人との戦争に敗れたため,1868年にはモンタナ州南部の狭小な指定居留地に移住。今日では人口約 5000と推定され,その多くが居留地以外の土地に住んでいる。

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