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土着主義運動 どちゃくしゅぎうんどうnativistic movements; nativism

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

土着主義運動
どちゃくしゅぎうんどう
nativistic movements; nativism

一般に先住民社会が急激に西洋近代文化と接触するときに起る宗教的民族主義運動のこと。特に 19世紀末から 20世紀中頃まで,広く東南アジア,アフリカ,北アメリカの各地に起った。共通した特徴は,ある特定の個人が神霊の啓示によって預言者として立ち現れ,信徒集団を組織して為政者異教徒に対して抵抗を試みるという点である。抵抗の形態は,一つは完全な拒否反応であり,もう一つは異文化みずからのものとして積極的に取込もうとするものである。代表例として前者の北アメリカインディアンゴースト・ダンス教,後者のメラネシア諸島でのカーゴ・カルトがよく知られている。インドネシアでは,イスラム教徒によるものと,非イスラム的意趣による抵抗運動がみられた。南アメリカでは白人の収奪の激しかった 18世紀中頃に預言者運動が発展し,みずからの家畜や食物をヨーロッパ人に渡さないために故意に処分し,至福の時代の到来を待望したが,結果は悲惨なものに終った。

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百科事典マイペディアの解説

土着主義運動【どちゃくしゅぎうんどう】

1943年にこの用語を初めて提唱したリントンは〈当該文化の特定の面を復興ないし持続化させるために社会の成員が行う意図的・組織的試み〉と定義した。しかしその後は〈社会から異国人もしくは異国起源の文化要素をなくそうとする運動〉をさすのがより一般的。
→関連項目千年王国ラスタファリ運動

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世界大百科事典 第2版の解説

どちゃくしゅぎうんどう【土着主義運動 nativistic movement】

西欧列強による植民地支配を受けた諸民族が,列強のもたらした新しい文化要素を排除して,民族固有の文化要素を復活させようとする運動。列強による植民地支配は,アジア,アフリカ,アメリカ,オセアニアの諸民族を政治的,経済的,社会的に抑圧したばかりでなく,西欧文明の影響のもとで伝統文化の変容を促進した。このような危機的状況のなかで,列強の支配に抵抗する土着主義運動が各地で起こった。たとえば,ニュージーランドは1840年にイギリスの植民地となったが,数多くのマオリ族植民地化に反対し,戦闘的な抵抗を繰り返した。

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大辞林 第三版の解説

どちゃくしゅぎうんどう【土着主義運動】

異民族によって支配されている人々が、不必要な異文化要素を排除して、幸福であった以前の状態に復帰しようとする運動。ネーティビズム。 → 千年王国ゴースト-ダンスカーゴ-カルト

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