平和に関する布告(読み)へいわにかんするふこく(その他表記)Dekret o mire

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「平和に関する布告」の意味・わかりやすい解説

平和に関する布告
へいわにかんするふこく
Dekret o mire

1917年 11月8日,すなわち十月革命成功の翌日に第2回全ロシア・ソビエト大会が V.I.レーニンの提案に基づいて採択した布告。第1次世界大戦をただちにやめ,公正で民主的な講和,つまり無併合,無償金の講和を結ぶよう提唱。秘密外交廃止公開外交の実施,秘密条約暴露を宣言して,20世紀における戦後処理の民主的原則と外交のあり方を提示した。この呼びかけは各国政府とともに直接人民に向けられていたので,各国の支配層は革命への呼びかけとして受取り,これに反発した。

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旺文社世界史事典 三訂版 「平和に関する布告」の解説

平和に関する布告
へいわにかんするふこく

1917年11月8日,ロシアの革命政権交戦国の人民に向けて発した宣言
レーニンの起草による。公正かつ民主的な平和の実現のため,民族自決にもとづいて無併合・無賠償を原則として戦争を即時停止すること,秘密外交を廃止して対戦中の秘密条約を公表することなどを宣言。各国における戦争反対の動きと革命の勃発を期待した。列強は強く反発し,革命政権の打倒を考え,アメリカのウィルソン大統領はこの布告に対抗して十四か条を提唱した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「平和に関する布告」の解説

平和に関する布告(へいわにかんするふこく)
Dekret o mire

十月革命で生まれた政権が出した最初の布告の一つレーニンが起草し,1917年11月8日(ロシア暦10月26日)に第2回全ロシア・ソヴィエト大会で採択された。布告は,即時休戦して,無併合・無賠償の講和を結ぶことを全世界の政府と人民に呼びかけた。

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