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民族自決(読み)みんぞくじけつ(英語表記)self-determination

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

民族自決
みんぞくじけつ
self-determination

民族は自己の政治的運命をみずから決定する権利をもつべきであり,他民族の干渉は許すべきでないとする主張。自決ないし自治の考え方の起源は,フランス革命期の思想家 J.-J.ルソーにみることができる。これが民族自決という政治的スローガンとして初めて登場するのは,1896年ロンドンで開かれた第2インターナショナルの大会決議においてである。第1次世界大戦中,革命に成功したソビエト・ロシアでは,ボルシェビキ党がこの民族自決を支持した。またアメリカの W.ウィルソン大統領も十四ヵ条平和構想のなかで民族自決を明記している。第2次世界大戦後,国際連合は民族解放運動を支持し,その憲章で民族自決の原則をうたっている (1,55など) 。しかし現実には,民族自決は大国の強権的介入により,しばしば踏みにじられてきた。

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百科事典マイペディアの解説

民族自決【みんぞくじけつ】

各民族が,みずからの意志によってその運命を決定するという政治原則。人権の一つとも考えられている。〈自決self-determination〉の権利は,1950年の国連総会で基本的人権として認められた。さらに1960年の植民地独立付与宣言によって〈人民peopleの自決〉の権利が植民地の独立にも適用され,1966年の国際人権規約にも規定された。歴史的には,フランス革命後の19世紀のイタリア,ドイツのナショナリズムに見られ,単一民族による国民国家としての政治的自決という考え方が生まれた。19世紀後半から20世紀初めにかけて,マルクス主義者の間で階級自決と民族自決をめぐって論争があったが,ソビエト連邦はレーニンの影響下に民族自決権を形式的にのみ援用して連邦制をとった。第1次大戦後には,米国大統領T.W.ウィルソンによって一国家における少数民族の自決が唱えられたが,これはドイツとソ連の影響が拡大しつつあった東欧諸国とバルト三国の独立を支援するものであった。第2次大戦後にはアジア・アフリカにおける反植民地・独立運動のイデオロギーとなり,各国の独立につながった。こうした歴史をふまえ,1960年代以降,世界各地で少数者集団による民族自決を掲げた運動が生まれた。また,1980年代末の冷戦体制の崩壊以降,東欧革命,ドイツ統一,ソビエト連邦およびユーゴスラビアの解体に際してもこの原則が掲げられた。→ナショナリズム民族リージョナリズム

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世界大百科事典 第2版の解説

みんぞくじけつ【民族自決 self‐determination of nation】

民族がそれぞれ政治的に独立し,みずからの政府をつくる権利。自決の主体が民族とされることから広義の自決権と区別され,また政治的共同体を目的とする権利であることから,文化的共同体としての民族性を保持する権利とも区別される。民族自決は,国際紛争の解決にあたって援用され,国際法における基本的権利のひとつとなっている。 統治されるものが統治するものを決定する権利をもつ,という自決権の思想は,フランス革命に由来している。

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大辞林 第三版の解説

みんぞくじけつ【民族自決】

ある民族が他の民族や国家の干渉を受けることなく、自らの意志に基づいて、その帰属や政治組織を決定すること。第一次大戦後アメリカ大統領ウィルソンが高唱し、その後の民族独立の指導原理になった。

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