朝日日本歴史人物事典 「平時信」の解説
平時信
生年:生年不詳
平安後期の貴族。出羽守平知信の子。大治5(1130)年昇殿を許される。鳥羽院判官代。極位極官は,正五位下・兵部権大輔。権大納言平時忠,平清盛妻時子,後白河天皇女御建春門院滋子の父。桓武平氏高棟王の子孫で,有職故実を伝承するいわゆる「日記の家」(『今鏡』)に属し,日記『時信記』を遺している。自身は官職昇進の面で目ざましいものがなかったが,院近習として蓄えた政治的実力と,平清盛一族との結びつきにより,子の代に急速に朝廷内での地位を向上させている。仁安3(1168)年,外孫高倉天皇即位に伴い,正一位左大臣を追贈される。
(上杉和彦)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報