日本大百科全書(ニッポニカ) 「広元」の意味・わかりやすい解説
広元
こうげん / コワンユワン
中国、四川(しせん)省北東部にある地級市。3市轄区、4県を管轄する(2016年時点)。人口310万1000(2014)。揚子江(ようすこう)の支流嘉陵江(かりょうこう)上流の東岸に位置し、陝西(せんせい)省との省境に近く、古くから四川省と陝西省を結ぶ要地である。別名嘉陵。今日も川陝自動車道(梓潼(しとう)―西安(せいあん))および宝成線に沿う物資集散地で、市街近郊に広元盤竜空港(2000年開港)が、市南部に石炭産地がある。水資源が豊富なことから、水力発電所が立地する。
市中心部から北5キロメートルの嘉陵江東岸には、唐・宋(そう)代の多数の磨崖仏(まがいぶつ)で知られる千仏崖がある。また嘉陵江西岸には、則天武后(そくてんぶこう)の生誕地で唐代の磨崖仏を有する皇沢寺(こうたくじ)がある。
[小野菊雄・編集部 2017年8月21日]