庚申講(読み)コウシンコウ

デジタル大辞泉 「庚申講」の意味・読み・例文・類語

こうしん‐こう〔カウシン‐〕【×庚申講】

庚申待を行う集団で構成した。経済上の互助親睦しんぼく目的とするものもある。

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精選版 日本国語大辞典 「庚申講」の意味・読み・例文・類語

こうしん‐こうカウシン‥【庚申講】

  1. 〘 名詞 〙 庚申青面(こうしんしょうめん)の信者たちの講中庚申待ちをいっしょにする仲間
    1. [初出の実例]「やがて村へは庚申講(カウシンコウ)季節がやって来る」(出典夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第一部)

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旺文社日本史事典 三訂版 「庚申講」の解説

庚申講
こうしんこう

江戸時代以降の庚申待を行う信仰組織
干支で庚申 (かのえさる) にあたる夜に講仲間ごとに会合し,飲食して徹夜した(庚申待)。社交娯楽の場であるとともに「庚申無尽」のような金融の組織にもなった。

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世界大百科事典(旧版)内の庚申講の言及

【庚申信仰】より

… ところが,15世紀の後半には,《老子守庚申求長生経》に基づいて,僧侶によって《庚申縁起》がつくられ,これが庚申信仰のよりどころとなる経典とされて,仏教的な信仰が発生した。こうして,庚申講が組織されることになったが,17世紀初頭までは,まだ一般庶民のあいだには普及しなかった。けれども,15世紀の後半以後庚申塔の前身である庚申板碑が造立されはじめ,庚申の夜の徹夜も庚申待とよばれるようになった。…

【サル(猿)】より

…猿を厩に飼って馬を守らせ病災を除くまじないとすることは中国やインドから伝えられたもので,日本の猿使いは陰陽師が民間に降って職となったものと考えられ,主として大都市に近い土地に集団で居住することが多かった。 庚申(こうしん)は中国から伝えられた信仰で,この日の夜に身体にすむ三尸(さんし)虫が天に登って天帝にその人の悪事を告げるといわれ,それを防ぐために集まって語りあかす庚申講が中世以来盛んになった。この際に庚申の猿にちなんで青面金剛の神像下に3頭の猿(三猿(さんえん))を描き,これを俗に〈言わざる,見ざる,聞かざる〉と称し,このような行為をつつしむことで人生を安全幸福におくることができるとする教えが尊ばれた。…

※「庚申講」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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