府本村(読み)ふもとむら

日本歴史地名大系 「府本村」の解説

府本村
ふもとむら

[現在地名]荒尾市府本

まえ(二九一・九メートル)の南西麓に立地する。東は小岱しようだい山の尾根を境に山田やまだ(現玉名市)など、南はかば村、西は川登かわのぼり村、北は平山ひらやま村に接し、三池みいけ往還が村央を南北に通る。慶長九年(一六〇四)九月の検地帳によると田一九町八反五畝余・畠居屋敷一二町八反二畝余、屋敷筆数三四、分米二八七石六斗余、田畠所有者一〇二を数える。近世は荒尾手永に属する。小岱山西麓を通る三池往還の高瀬たかせ(現玉名市)と筑後三池(現福岡県大牟田市)の中間点として宿町の機能をもった。府本熊野座神社境内の六角柱の石碑に「享保元年開基 宿町御免 七月 荒木七良兵衛」と刻まれ、享保元年(一七一六)の宿町認可を示す。藩主が休息したという往還沿いの「御成間」は移建されたが、天保二年(一八三一)再建の「御成門」と称する門構えは、軒瓦や欄間に九曜紋を残し旧往還に東面して遺存する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報