廻城跡(読み)めぐりじようあと

日本歴史地名大系 「廻城跡」の解説

廻城跡
めぐりじようあと

[現在地名]福山町福山

みなと川の左岸沿い、字前平まえひらの標高二八〇メートルを最高地点とする南東から北西に延びるシラス台地に築かれた山城仁田尾にたお城ともいう。

三国名勝図会」は治承四年(一一八〇)源頼政の孫宗綱が廻村に入部し廻氏を名乗って当城を本拠とし、以後廻氏が歴代居城したと記し、「薩隅日三州他家古城主来由記」は最初の城主を飫肥伊豆守とする。しかし大隅国建久図田帳は廻村弟子丸でしまるを在庁官人建部宗房が領するとし、弘安一〇年(一二八七)の宮侍守公神結番次弟(旧記雑録)には神人で御家人の廻大和入道がみえ、文明六年(一四七四)の行脚僧雑録(同書)には廻とあり、「雲遊雑記伝」所収の同雑録では廻兵部少輔と注記する。廻大和入道以降が当城の築城との関連があると思われる。永禄四年(一五六一)廻氏当主久元が盲目であったのに乗じ、五月一四日肝付兼続は当城を奪い、これを怒った島津貴久・義久は六月大軍勢を率いて出陣し、当城を囲み大牟礼おおむれ(大塚)馬立またて竹原山たけはらやまに陣した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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