廻文(読み)かいもん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

廻文
かいもん

「かいぶん」ともいう。回文,すなわち上から読んでも下から読んでも同じ音の言葉のこと。「八百屋」「新聞紙」「田植唄」などや,「竹屋が焼けた」「飯 (めし) にお煮染 (にしめ) 」などが廻文名詞や廻文句の例。廻文和歌で最も古いものは,平安時代の藤原基俊の歌学書『悦目抄』に収録されている「むらくさにくさのなはもしそなはらばなぞしもはなのさくにさくらむ」と「をしめどもついにいつもとゆくはるはくゆともついにいつもとめじを」の2首といわれており,また,言語遊戯として,廻文和歌を意識的に作った人物としては藤原隆信が有名である。なお,江戸時代には廻文俳諧や廻文連句の撰集も出ている。

廻文
かいもん

平安時代以降,2人以上の者に,諸役勤仕を命じたり,訴訟のため出頭すべきことなどを触れ知らせるために出した文書

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精選版 日本国語大辞典の解説

めぐらし‐ぶみ【廻文】

〘名〙 二人以上の宛名人に順次に回覧して用件を伝える文書。廻状。かいぶん。まわしぶみ。
※宇津保(970‐999頃)嵯峨院「弁の君、めぐらしぶみつくりて、才ども召しあつむ」

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世界大百科事典内の廻文の言及

【廻状(回状)】より

…一般的には,複数のあて先に対し,順次に回覧させる方法をもって同一の用件を伝達する文書のこと。廻文,廻章とも言い,中世には,諸役への参勤や訴訟当事者の出頭を令する際に,この形式の文書が多く用いられた。近世では,領主や代官が支配下の村々に命令を伝える場合や,村々の日常的な連絡あるいは一揆への参加を呼びかける文書(一揆廻状)に,廻状が使用されたが,ふつう近世で廻状と言えば,前者を指す。…

※「廻文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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