引攣(読み)ひきつり

精選版 日本国語大辞典 「引攣」の意味・読み・例文・類語

ひき‐つり【引攣】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 顔や手足などが、ひきつること。筋肉がちぢまって痛むこと。痙攣(けいれん)を起こすこと。ひっつり。ひっつれ。〔塵芥(1510‐50頃)〕
    1. [初出の実例]「古未耶病て死せんとする時、その面の攣縮(レンシク)(〈注〉ヒキツリ)して」(出典西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉五)
  3. 皮膚などの表面やけどなどのため引っ張ったようになっていること。また、その部分。ひっつり。ひきつれ。ひっつれ。
    1. [初出の実例]「傷痕の引釣が」(出典:足袋の底(1913)〈徳田秋声〉二)

ひっ‐つれ【引攣】

  1. 〘 名詞 〙ひきつり(引攣)
    1. [初出の実例]「傷痕とは〈略〉傷が癒着してもなお一生消えない縫目や引っ吊れのことだ」(出典:ヤゴの分際(1962)〈藤枝静男〉)

ひっ‐つり【引攣】

  1. 〘 名詞 〙 「ひきつり(引攣)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「あばたも念の入たひっつりだらけのうへ、おまけに横小鬢が、はげてあった」(出典:滑稽本・続膝栗毛(1810‐22)九)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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