引際(読み)ヒキギワ

デジタル大辞泉 「引際」の意味・読み・例文・類語

ひき‐ぎわ〔‐ぎは〕【引(き)際/退き際】

それまでの地位立場などから退くときの時期や身の処し方。ひけぎわ。「―が悪い」「―が肝心だ」
[類語]引き時引け時引け際

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「引際」の意味・読み・例文・類語

ひけ‐ぎわ‥ぎは【引際】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 物事の終わりに近い時。一日の仕事の終わるまぎわ。また、職務から身をひくまぎわ。ひきぎわ。ひけどき。
    1. [初出の実例]「行儀作法を習ふその会の退(ヒ)けぎはなど、ほかの娘は気がつかないのに、初江がいちはやく自分たちの飲んだ茶碗を片付け」(出典潮騒(1954)〈三島由紀夫〉六)
  3. 取引所で、最後の立会である大引(おおびけ)に近い時刻。また、その時の値段。

ひき‐ぎわ‥ぎは【引際】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 引いていく水が汀と接するあたり。水がまさに引いている場所
  3. ちょうど引いていく時。まさに引いていこうとする時。
    1. [初出の実例]「引きぎはの砂が足の裏の部分を残して流れ去ってゆくのを水底に感じる」(出典:真夏の死(1952)〈三島由紀夫〉)
  4. 現在の地位・立場から退く時について、その時宜退き方をいう。ひっこみぎわ。「引き際が悪い」

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