精選版 日本国語大辞典「時宜」の解説
じ‐ぎ【時宜】
〘名〙 (「しぎ」とも)
※三代格‐一・弘仁格序(830)「上遵二叡旨一、下考二時宜一」
② ときの権力者の政治的・法的な意志・判断を示すことば。本来は「時議」。とくに室町時代では将軍の意志を表現する場合が多い。
※玉葉‐治承三年(1179)二月一〇日「執政室為二乳母一之例、古今未レ有、随二時宜一被レ起二始例一歟」
※大乗院寺社雑事記‐文明二年(1470)八月一四日「先日合戦に、高山は捨兵具、以外時宜也」
※甲陽軍鑑(17C初)品四〇下「人の時宜(ジキ)するに、此方より、時宜せざるは、大非儀にて候」
④ =じぎ(辞宜)②
※俳諧・西鶴大句数(1677)四「いらぬかまじしや浮名立風呂 執心は残らぬ残らぬ時冝はなひ」
⑤ 連句の付け方の一つ。支考の説いた七名八体の中の一つ。その世、その時の風俗にかない、かつ、その座、その折の時の宜しきにかなう付け方をいう。〔俳諧・俳諧古今抄(1730)〕
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