強る(読み)ツヨル

デジタル大辞泉 「強る」の意味・読み・例文・類語

つよ・る【強る】

[動ラ四]強くなる。ふるいたつ。
御方みかた軍勢は皆兵粮ひゃうらうに疲れ、敵陣の城にはいよいよ―・り候はんか」〈太平記一六

こわ・る〔こはる〕【強る】

[動ラ四]こわばってかたくなる。
御乳はいと美しげにおはしますが、いたう―・るまでらせ給へれば」〈栄花・楚王の夢〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「強る」の意味・読み・例文・類語

こわ・るこはる【強】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
    1. こわくなる。こわばって堅くなる。また、堅苦しくなる。こわばる。
      1. [初出の実例]「御乳はいとうつくしげにおはしますが、いたうこはるまで膨らせ給へれば」(出典:栄花物語(1028‐92頃)楚王の夢)
    2. 事態が悪化してどうにもならない状態になる。
      1. [初出の実例]「それにもかぜがふきこはらばほばしらばかりでやって見よ」(出典:幸若・四国落(寛永版)(室町末‐近世初))
    3. かたくなになる。がんこになる。
      1. [初出の実例]「人を罸するに、其罪人がやわらかに罪によう服してこはらぬ程に、肉の骨もない処をくう様なぞと云心」(出典:土井本周易抄(1477)三)
    4. 腹が痛む。
      1. [初出の実例]「から風の大岡寺(だいこじ)縄手吹透し〈野径〉 虫のこはるに用叶へたき〈乙州〉」(出典俳諧ひさご(1690))
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 堅くなる。こわばる。
    1. [初出の実例]「たでのからみ過たる時は、舌こわれ、ひりめくなればいかがとぞ」(出典:評判記・吉原呼子鳥(1668)高くら)

つよ・る【強】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 強くなる。勢いや元気を増す。ふるいたつ。「思いつよる」「吹きつよる」⇔弱る
    1. [初出の実例]「心地はやみたるに、よろしくなり侍たり。とくつより給て、あひ見むとおぼせ」(出典:夜の寝覚(1045‐68頃)二)

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