弱る(読み)ヨワル

デジタル大辞泉 「弱る」の意味・読み・例文・類語

よわ・る【弱る】

[動ラ五(四)]
体力気力が衰える。「視力が―・る」「病気で―・る」
物事の力や勢いがなくなる。「火力が―・る」「雨脚が―・る」
困る。困却する。「処置に―・る」「―・ったことに終電車に乗り遅れた」
魚や肉などの鮮度が落ちる。
「―・りし鯛の腹に」〈浮・永代蔵・二〉
[類語](1鈍る弱まる不調変調不順低調不振乱調低迷なまる冴えない伸び悩む上がったりスランプうだつが上がらない鈍化弱化/(3てこずる苦労困る参るきゅうするこうずる苦しむ困り果てる困りきる困りぬく困却する往生おうじょうする難儀する難渋なんじゅうする閉口する困惑する当惑する途方に暮れる手を焼く手に余る持て余す手に負えない手が付けられない手が掛かる世話が焼ける始末に負えない始末が悪い・どうにもならない・如何ともしがたい・度し難い

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精選版 日本国語大辞典 「弱る」の意味・読み・例文・類語

よわ・る【弱】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 病気や疲労などで身体が弱くなる。衰弱する。⇔強る
    1. [初出の実例]「衆生は光色減し、勢力尽く衰(つひ)に微(ヨワ)りなむ」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)八)
    2. 「かのあまうへ、いたうよわり給にたれば、なに事もおぼえず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若紫)
  3. 勢いが衰える。かすかになる。⇔強る
    1. [初出の実例]「秋風に声よはり行くすず虫のつひにはいかがならんとすらん〈大江匡衡〉」(出典:後拾遺和歌集(1086)秋上・二七二)
  4. 気力が衰える。心細くなる。また、抵抗しにくくなる。⇔強る
    1. [初出の実例]「あさましきことをよわれる御心ちに、うたがひなくおぼししみて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕霧)
  5. 困る。困却する。迷惑する。
    1. [初出の実例]「はだをぬぐと、かこ字や、女の首がほってあるにはよわらせる」(出典:洒落本・客者評判記(1780)実悪之部)
  6. 魚肉などの鮮度が落ちる。
    1. [初出の実例]「弱(ヨハリ)し鯛の腹に針の立所」(出典:浮世草子日本永代蔵(1688)二)

弱るの語誌

上代には見えず、中古に入ってから、主として散文で用いられ、院政期以降は和歌にも見られるようになった。

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