当量点(読み)トウリョウテン(英語表記)equivalence point

デジタル大辞泉 「当量点」の意味・読み・例文・類語

とうりょう‐てん〔タウリヤウ‐〕【当量点】

物質を添加することで進行している化学反応が、ある添加量に達して反応が進まず終結した点。ふつう、容量分析における反応の終結点を指す。中和滴定の場合は中和点という。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「当量点」の意味・わかりやすい解説

当量点
とうりょうてん
equivalence point

反応系のある物質を加えながら化学反応を進行させ、その添加量が化学反応式当量関係に達した点をいうが、一般には、容量分析で試料と完全に当量となる標準溶液が滴加された点をいう。この点は理論的終点であるが、容量分析などの実験条件下において終点を観測する手段によっては、当量点と実測終点とが一致しないことがある。そのために生ずる誤差を終点誤差という。

[岩本振武]

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化学辞典 第2版 「当量点」の解説

当量点
トウリョウテン
equivalence point

ある化学反応が化学量論的に終結する点.主として容量分析滴定終点をいう.試料溶液AをBの標準溶液で滴定し,次式によってCを生じるとする.

A + 2B → C

化学量論的にはAの1 mol に対し,Bの2 mol を滴定した場合が当量点となるが,実験上の終点と当量点とには,しばしば開きがある.この差は滴定誤差うちでもっとも本質的なものとなる.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「当量点」の意味・わかりやすい解説

当量点
とうりょうてん
equivalence point

滴定において,試料に対してこれと化学量論的に当量の標準溶液が添加された点をいう。通常指示薬の色の変化などを利用して検出するが,このようにして検出された点は終点であり,必ずしも当量点と一致するものではない。両者の開きが滴定誤差である。当量点と終点とが一致することが滴定における理想である。 (→容量分析 )

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