化学反応における反応物と生成物の種類,およびその間の化学量論的関係を元素記号や化学式を用いて表示した式をいう.反応物を左辺に,生成物を右辺にまとめて記し,物質量関係を表すため各項に係数をつけ,
2CO + O2 → 2CO2
のように右向き矢印または等号で結ぶ. 印は可逆反応を表す.物質の状態まで付記したものや,熱化学方程式のように,反応に伴う反応熱の出入りを書き加えた化学反応式もある.また簡略化して,注目している反応物と生成物の関係を,たとえば,
のように書くこともある.[別用語参照]化学方程式
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…反応しあう物質を反応体(反応物),反応によって生じる物質を生成体(生成物)という。
【化学反応と化学反応式】
人類は古くから化学反応の有用性を知り,それを利用してきた。最も古くから繰り返し発見され利用されてきた化学反応は燃焼反応で,旧石器時代にすでにわれわれの祖先は火をつくり,暖をとり身を守り,また調理に利用した。…
…この考えは近代化学の創始者たちに引き継がれ,フランスのJ.L.プルーストによって〈定比例の法則〉(1799),イギリスのJ.ドルトンによって〈倍数比例の法則〉(1808),そしてフランスのJ.L.ゲイ・リュサックによって〈気体反応の法則〉(1808)が確立され,原子・分子の概念による近代化学の確立の基礎となった。現在,原子・分子を化学記号で表した化学反応式は化学反応に伴う各成分の量的変化の関係を明示するもので,化学量論的方程式とも呼ばれ,化学反応を取り扱う場合の基本的関係として使われている。また,さらに広く物質の種々の物理的性質と化学的組成および構造式との量的関係も詳細に調べられ,経験的法則として提出されるようになり,未知の性質の推定や理論的考察のための基礎的知見として利用されている。…
※「化学反応式」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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