精選版 日本国語大辞典 「後判」の意味・読み・例文・類語
こう‐はん【後判】
- 〘 名詞 〙
- ① 同種の事柄についての後の判定、判断。併記した二つの判断のうちの後者。
- [初出の実例]「軽陳二管見一。伏聴二天裁一。奉レ勑依二後判一」(出典:続日本紀‐天平宝字八年(764)七月丁未)
- ② ( 「判」は判形(はんぎょう)、すなわち花押のこと ) 中世、譲状(ゆずりじょう)が同一の対象(土地など)について、二度以上発給された場合の後の文書。譲状は花押のある正文(しょうもん)でなければ有効でなかった。また、文書類で、すでに判形があるところに、後から加えられた判形。後状。後判状。⇔先判(せんぱん)。〔御成敗式目(1232)〕
- ③ 旧刑法で、同一事件について上訴前と上訴後に判決のあった場合、そのあとの判決をいう。第一審の判決に対する第二審の判決など。
- [初出の実例]「若し其上訴不当なる時は後判宣告の日より起算す」(出典:刑法(明治一三年)(1880)五一条)