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後染織物 あとぞめおりもの

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

後染織物
あとぞめおりもの

先染(さきぞめ)織物に対する語。製織工程の前と後の、いずれの段階で染色するかによって、先染と後染の区別をするが、この場合には織物に織り上げてから、各種の染色技法により染色したものをさす。織物が発生したときは、染色をしない天然の白または白茶色で、また清浄という意味からそれを尊重したのであろうが、やがて植物の汁液が触れ、あるいは顔料が付着して部分的に染色され、それが意識的な染色加工となって発展した。一般に浸染(しんせん)には、精練漂白をしたのち、綿、絹、人絹などの織物にはジッガー染色機を用い、毛織物には枠染機を使うが、一部には能率を高めるため連続染色機が大量生産に使われる。捺染(なっせん)には、ローラー捺染機、スクリーン捺染機が使われる。そして糊(のり)付け、幅出しなどの仕上げ加工、光沢、防皺(ぼうしゅう)、風合(ふうあ)いなどの付帯加工が施される。伝統的な友禅(ゆうぜん)、小紋、中形(ちゅうがた)、絞(しぼり)、蝋染(ろうぞ)めなどの模様染めも、ほとんど後染であるが、それぞれの技法でよばれることが多いし、小幅織物と広幅織物との染色で異なる部分がある。後染織物は多種類にのぼるが、綿、絹、毛、化学(合成)繊維のそれぞれの分野で、染色仕上げ効果を十分に発揮できる生地が選択される。代表的なものに、綿織物のポプリン、ブロードなど、絹織物の羽二重(はぶたえ)、縮緬(ちりめん)、絽(ろ)、紗(しゃ)などがあげられる。[角山幸洋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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