後様(読み)ノチザマ

デジタル大辞泉 「後様」の意味・読み・例文・類語

のち‐ざま【後様/後方】

のちの時。後年後日
「大鼻の蔵人くらうど得業とくごふといひけるを、―には、こと長しとて、鼻蔵人ぞいひける」〈宇治拾遺・一一〉

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精選版 日本国語大辞典 「後様」の意味・読み・例文・類語

うしろ‐ざま【後様】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「に」を伴って副詞的に用いる。「うしろさま」とも )
  2. その人や物の、後ろのほう。また、後ろのほうへ動作をするさま。
    1. [初出の実例]「月のかげのはしたなさに、うしろざまにすべり入るを、つねに引き寄せ」(出典:枕草子(10C終)三〇二)
  3. 前後が逆の向きであるさま。後ろ向き
    1. [初出の実例]「御前(おまへ)なる獅子(しし)狛犬(こまいぬ)、背(そむ)きてうしろさまに立ちたりければ」(出典徒然草(1331頃)二三六)

あと‐さま【後様】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「あとざま」とも。「に」を伴って用いる事が多い )
  2. 後ろ向きになること。
    1. [初出の実例]「華山を見に驢馬に乗りて思ほど見て、帰りさまには又驢にあとさまに乗りて山を見たぞ」(出典:詩学大成抄(室町末)三)
  3. 後ろの方。また、後もどりするさま。うしろざま。
    1. [初出の実例]「鳴海より跡ざまに二十五里尋(たづね)かへりて、其夜吉田に泊る」(出典:俳諧・笈の小文(1690‐91頃))

のち‐ざま【後様・後方】

  1. 〘 名詞 〙 のちの時。のち。後年。
    1. [初出の実例]「加様の礼義者のちざまに、ことに仏法などあらはれて後定(さだめ)らるる也」(出典:愚管抄(1220)三)

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