お‐ばけ【御化】
- 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 )
- ① ばけもの。妖怪(ようかい)。変化(へんげ)。また、幽霊。
- [初出の実例]「気味の悪ひ、あのどろどろはお化が出るのぢゃありませぬか」(出典:歌舞伎・浪底親睦会(1881))
- ② ( 比喩的に )
- (イ) 異様なもの、奇怪なもの、人間ばなれをしたさまなどをたとえていう。
- [初出の実例]「去年の夏大山へ往た時、斯のごときの飯盛(オバケ)に出っかはした事があったっけ」(出典:滑稽本・七偏人(1857)二)
- (ロ) ( 「おばけかぼちゃ」「おばけきのこ」のように熟した形で ) 奇形であるもの、同類のなかで異常に大きいものをいう。
- ③ つぎはぎの多い衣服。生地(きじ)のいたんだ古着。ばけもの。
- [初出の実例]「片身頃有りゃア御化(ホバケ・オバケ)が一枚出来やうといふ洒落だァな」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二)
- ④ 「おばけがい(御化貝)」の略。
- ⑤ 「おばけごよみ(御化暦)」の略。また、それを売りあるく者。
- ⑥ 京阪地方の風習で、節分または年越しの日に老女が結った娘風の髪形、あるいは娘が結った人妻風の髪形。また、のちに若い娘の結う日本髪や少女が頭上に着ける髷(まげ)。
- [初出の実例]「節分の日はお化と称し、市中の老婆は小女の姿となり」(出典:風俗画報‐一八五号(1899)人事門)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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