( 1 )「ごうき(合器)」の変化したものとされるが、「合器」という語は見えず、「器」に接頭辞「御」を加えたものかと思われる。
( 2 )「御器」は、漢籍では天子の道具をいい(新書‐輔佐「御器不レ以レ度」)、日本でも皇室関係の人物のための器に対して用いられている(続日本紀‐大宝元年正月庚寅「直広貮已上者。特賜二御器膳并衣裳一。極レ楽而罷」)。しかし、「落窪物語」には更に敬語接頭辞を加えた「御ごき」の例があり、早く普通語と理解されたようである。
( 3 )中世以降には「呉器」「五器」と書かれた例が見える。やがて「ごき」は庶民の食器にも用いられるようになり、近世以降は②の食器をいうようにもなった。
…行幸は,このような教化で説かれた天皇の姿をみせる場であっただけに,全国巡幸を軸にその多くが87年までに集中していた。天皇が行幸の途次で休息や宿泊した場所は後に〈聖蹟〉とされ,その使用した器具類を〈御器〉とし,ともに保存した。かつ天皇がみずから植樹した樹木(おもに常緑樹)は〈御幸松〉などと称された。…
※「御器」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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