御嶽信仰(読み)おんたけしんこう

共同通信ニュース用語解説 「御嶽信仰」の解説

御嶽信仰

山や自然そのものに神が宿るという日本古来の山岳信仰基盤となり、江戸時代後期、御嶽山信仰の対象とする「御嶽講」が誕生した。明治時代以降には「御嶽講」を基に「御嶽教」「木曽御嶽本教」など全国的な教団組織が作られ各地発展。毎年夏には、集まった信者が白装束姿などで登山する「御嶽登拝」も活発に行われている。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「御嶽信仰」の解説

御嶽信仰
おんたけしんこう

おもに長野・岐阜県境に位置する木曾御嶽山に対する信仰。タケは雨・雲を支配する神霊のすむ高所の霊界を意味し,御嶽は各地方でかなめとなる山をさした。各地のタケの一つ御嶽山は,近世中期に黒沢王滝に新たに登山道が開設され,江戸・尾張を中心に御嶽講が結成されるなどして,富士山とともに庶民登拝の山として信仰を集めるようになった。御嶽講は神がかりして託宣をする点に特徴があり,死後信者の霊魂は霊神となって御嶽に回帰するという信仰も顕著である。

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世界大百科事典(旧版)内の御嶽信仰の言及

【御嶽山】より

… 高峻で雄大な御嶽山の山容は古来山岳信仰の対象となり,最高峰剣ヶ峰に御嶽神社奥社があり,祠や石像が安置されている。御嶽信仰の盛期は江戸時代の1790年代以降であったが,明治に入って女人禁制の解除,中央本線の開通(1910)や中山道の改修などのほか1891年のW.ウェストンの御嶽登山が契機となって登山にスポーツの要素が多くなり,多くの登山者がこの山を訪れるようになった。とくに王滝口七合目の田ノ原(2200m)までバス路線が開通し(1967),観光地としての性格は一段と強まった。…

※「御嶽信仰」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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