山岳信仰を中心とする神道(しんとう)教団。旧教派神道神道十三派の一つ。近世に広まっていた木曽(きそ)の御嶽信仰を基盤とし、明治初期の宗教政策の影響を強く受けながら形成された。このとき多数の御嶽講の団結、組織化に尽力したのは下山応助(しもやまおうすけ)であったが、彼は教団結成前に行方不明となったため、平山省斎(せいさい)(1815―1890)を初代管長として1882年(明治15)9月、一時所属していた神道大成(たいせい)派より独立し、神道御嶽派と称した。同年11月神道御嶽教と改称、第二次世界大戦後は御嶽教と称する。御嶽大神(国常立尊(くにとこたちのみこと)、大己貴命(おおなむちのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと))を崇拝対象としている。第二次世界大戦後、教義がまとめられ、「御嶽教七五三(なごみ)の教え」が教典となる。長野県木曽郡木曽町に山の本部、奈良市大渕町に里の本部がある。教会数344、布教所数45、教師数1313、信者数7万1350(『宗教年鑑』平成26年版)。
[井上順孝]
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