御平(読み)オヒラ

精選版 日本国語大辞典 「御平」の意味・読み・例文・類語

お‐ひら【御平】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 )
  2. 平椀(ひらわん)をいう。身より蓋の方が大きく、汁椀飯椀よりも大きくて平たいもの。また、平椀の中に盛った料理。
    1. [初出の実例]「汁(おつけ)が銀杏大根に焼豆腐さいの目、お平はお定まりの芋にんじん、ごぼう大根」(出典滑稽本浮世風呂(1809‐13)三)
  3. 鯛をいう女房詞。
    1. [初出の実例]「はくの二位たる・御ひら二をけまいらする」(出典:御湯殿上日記‐文明一二年(1480)四月二三日)

お‐たいら‥たひら【御平】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「お」は接頭語 )
  2. 足をくずして、楽にすわること。「おたいらに」の形で人に楽にすわるようにすすめるときにいう。
    1. [初出の実例]「おたゐらにおめしなはりやせ」(出典:洒落本・遊子方言(1770)発端)
  3. ( 「おたいらに」の形で ) おだやかであること。平穏であること。事を荒立てないこと。
    1. [初出の実例]「中尉どの、まあここはお平(タイラ)に」(出典:黄色い鼠(1977)〈井上ひさし〉一)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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