御車山祭(読み)みくるまやままつり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「御車山祭」の意味・わかりやすい解説

御車山祭
みくるまやままつり

富山県高岡市の高岡関野神社で 5月1日に行なわれる春祭り加賀藩金沢藩)の初代藩主前田利家豊臣秀吉から拝領した御所車を,2代藩主前田利長が慶長14(1609)年の高岡城築城に際して町民に与えたことから,同15年に始まったと伝わる。山町と呼ばれる高岡築城以来の町人町の出す 7基の山車(やま)が,坂下町の源大夫獅子を露払いとし,通町の山車を先頭にして,高岡旧市街中心部を引き回される。山車は御車山と呼ばれ,御所車の上に,本座と呼ばれ各山車の御本尊ともされる布袋や恵比寿,大黒翁媼などの像を乗せ,白,赤,黄などの色鮮やかな造花を傘状に取り付けた鉾を立てたもので,鉾の頂部には鳥甲(とりかぶと)や釣鐘胡蝶などの鉾留と呼ばれる各山車の目印が飾られている。この祭りは,富山県内各地の曳山祭の原型とされる。高岡御車山祭の御車山行事として国の重要無形民俗文化財に指定されており,2016年に「山・鉾・屋台行事」の一つとして国際連合教育科学文化機関 UNESCO世界無形遺産に登録された。また 7基の御車山は国の重要有形民俗文化財に指定されている。

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