御輿ヶ嶽(読み)みこしがだけ

日本歴史地名大系 「御輿ヶ嶽」の解説

御輿ヶ嶽
みこしがだけ

見越岳(嵩)とも書く。標高約八〇メートル。「攬勝考」は大仏より東の山をいい、大仏を見越すという意味かという。皇国地誌には長谷村の中央、最高所二〇余丈、山並は東は長楽寺ちようらくじ山に連なり、三方は田圃へ臨み、松杉や雑樹が蕃叢すると伝える。これは甘縄あまなわ神明社の背後の山(別名神明山)になるが、一般的には、鎌倉大仏の背後の山並が稲村いなむらヶ崎の近くで海岸に接する霊山りようぜんガ崎をさすと考えられている。

万葉集」巻一四に「鎌倉のみごしのさきの石くえの君が悔ゆべき心は持たじ」とあり、この石くえのありさまは、岩崩れが多い霊山ガ崎東側の様子を詠んだといわれる。古くからの名所であったようで、「堀河百首」には、万葉の歌をもとにして詠んだとみられる左京大夫顕仲の「かまくらやみこしがだけに雪消てみなの瀬川に水まさるなり」があり、宗尊親王の「瓊玉集」にも「都にははや吹ぬらしかまくらのみこしか崎の秋のはつ風」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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