二つの条件p,qについて,〈pならばq〉が真であるとき,pはqの十分条件であるといい,また,qはpの必要条件であるという。例えば,△ABCについて,〈それが正三角形である〉ことをpとし,〈それが二等辺三角形である〉ことをqとすれば,その例になる。pがqの必要条件であり,かつ十分条件であるとき,すなわち,pとqとが同値であるとき,pはqの必要十分条件であるという。例えば,△ABCにおいて,〈∠ABC=∠BCA=60°〉は〈△ABCが正三角形である〉ための必要十分条件である。
条件pが条件qの十分条件,すなわち,条件qが条件pの必要条件であることは,〈pならばq〉が真であることであるから,その対偶〈qでないならばpでない〉が真である。したがって,条件〈pでない〉は条件〈qでない〉の必要条件になり,〈qでない〉が〈pでない〉の十分条件になる。
→条件
執筆者:永田 雅宜
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
「pならばqである」という命題が真であるとする。つまり、pが真であるすべての場合について、いつもqが真であるとする。このとき、qのことをpであるための必要条件、また、pのことをqであるための十分条件という。ところで、「pならばqである」が真であっても、かならずしもその逆、「qならばpである」が真とは限らない。つまり、qはpの必要条件であるが、pであるための十分条件とは限らないのである。たとえば、「ある整数が4の倍数ならばその数は偶数である」は真であるが、その逆、「偶数は4の倍数である」はかならずしも真ではない。
いま、qがpの必要条件であると同時に、逆にpもqの必要条件である場合を考える。するとpとqは互いに他の十分条件にもなっている。このとき、qはpの、またはpはqの必要かつ十分条件、縮めて必要十分条件という。またpとqは同値であるともいう。
たとえば、一つの四辺形において「平行四辺形である」ことと、「対角線が互いに他を二等分する」こととは、互いに必要かつ十分な条件である。
[古藤 怜]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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