忌部色弗(読み)いんべのしこぶち

朝日日本歴史人物事典 「忌部色弗」の解説

忌部色弗

没年:大宝1.6.2(701.7.11)
生年:生年不詳
7世紀後半の中級官僚。名は色夫知や色布知とも書く。天武9(680)年1月に忌部首から忌部連へと上位の姓を賜り,兄子首と共に悦びの言上をし,13年12月にはさらに忌部宿禰の姓を賜った。持統4(690)年1月,中臣大嶋の天神寿詞に続き,神璽の剣,鏡を皇后に奉り,皇后は即位,持統天皇となった。忌部氏は中臣氏と共に神事を司る氏族として奉仕したものであろう。死去のときは正五位上。壬申の乱(672)の功により,従四位上を贈られた。『日本書紀』には活躍のことがみえないが,兄と共に闘ったのであろう。

(岩本次郎)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「忌部色弗」の解説

忌部色弗 いんべの-しこぶち

?-701 飛鳥(あすか)時代の官吏
忌部子首(こびと)の弟。天武天皇9年兄とともに連(むらじ),13年宿禰(すくね)の姓(かばね)をあたえられる。持統天皇の即位式では神璽の剣と鏡を奉献。大宝(たいほう)元年6月死去。壬申(じんしん)の乱の功績により従四位上を追贈された。名は色夫知,色布知ともかく。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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