日本歴史地名大系 「志袋村」の解説 志袋村しぶくろむら 三重県:津市西郊地区志袋村[現在地名]津市片田志袋(かただしぶくろ)町田中(たなか)村の西、低い丘陵の谷間にあり、伊賀街道が東側を通る。丘陵上に方墳が多く、方形周溝墓が存在した坂本山(さかもとやま)古墳群があり、麓に中世墓が散在していた。文禄検地帳の転記と思われる伊勢国中御検地高帳に「志袋細石村」、慶安郷帳(明大刑博蔵)には「志袋村」とある。「五鈴遺響」は「属邑佐々礼石アリ」と記している。「神鳳鈔」には「内宮佐々礼石御厨一石、六九十二月」とみえる。村内を流れる細石(さざれいし)川付近に岩尾(いわお)という地名もある。このため「勢陽雑記」は、「古今集の歌に。君か代は千代に八千代にさゝれ石の岩ほとなりて苔のむすまで。此歌は当村をよめる歌なりと所の者いひ伝へり」と記している。天正一四年(一五八六)写の安濃津上分記(神宮文庫蔵)によれば、「さゝれいし」より左衛門四郎など一〇名が六・六九四石を上分として納所(のうそ)村神宮(じんぐう)寺に貢進している。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by