納所(読み)なっしょ

精選版 日本国語大辞典の解説

なっ‐しょ【納所】

〘名〙
① (━する) 年貢などを納める所。また、年貢などを納めること。それをつかさどる役人をもいう。
※京都大学所蔵東大寺文書‐天喜三年(1055)一一月一日・東大寺牒「牒、以当年御封米内、民部録菅野奉方預納所、欲被下符之状」
② 寺院で施物・金銭・年貢などの出納事務を執る所。また、その役職やその事務を執る役僧。納所職。
※金沢文庫古文書‐応安三年(1370)加賀国軽海郷年貢済物結解帳(七・五五七三)「行照房方へ御志分に毎年可遣之由、納所方より承候之間、致沙汰候了」
※俳諧・大坂独吟集(1675)上「薪買百味飲食ととのへて あたごの坊の納所ともみゆ〈素玄〉」

のう‐しょ ナフ‥【納所】

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

納所
なっしょ

禅宗寺院において金銭などの収支を扱うところ,また,その役を受持つ僧侶広義には,寺院の庶務を司るところや,その役のをもいう。

納所
のうそ

京都市伏見区南西部の一地区。旧村名。 1931年京都市に編入宇治川桂川にはさまれた低地に位置。 1899年の宇治川改修までは,ここととの間を宇治川が流れていた。豊臣秀吉淀君のために淀城を築いたところ。水運の要地で,淀川をで運ばれてきた物資がここで陸揚げされた。 1918年京阪国道 (現在は府道) が通じ,沿道に多くの工場が立地している。

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デジタル大辞泉の解説

なっ‐しょ【納所】

古代・中世、年貢などを納入した場所およびそこに勤務した役人。また、年貢などを納めること。
禅寺で、施物の金品・米穀などの出納事務を執る所。また、その役の僧。
納所坊主」の略。

のう‐しょ〔ナフ‐〕【納所】

なっしょ(納所)

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世界大百科事典 第2版の解説

なっしょ【納所】

一般的には,年貢などをめる所またはそれを扱う人,とくに寺院の物品の収納や会計などの寺務を行う所または人をさす。11世紀中葉から12世紀中葉の平安中期には,次の4種の意味をもつ納所があった。(1)封戸(ふこ)からの収納物の輸送のために港湾に設けられた中継的倉庫,(2)郡・郷や荘園などに付属する収納庫,(3)寺院や貴族武士など家政の規模の大きい人々の邸宅などに設けられた倉庫,(4)国衙領や荘園内の徴税単位としての農民的納所。

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