思ほし召す(読み)オモホシメス

デジタル大辞泉 「思ほし召す」の意味・読み・例文・類語

おもほし‐め・す【思ほし召す】

[動サ四]《動詞「おもほす」の連用形補助動詞めす」から》「思う」「考える」の尊敬語。「思ほす」よりも敬意が高い。お思いあそばす。
「いかさまに―・せか」〈・二九〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「思ほし召す」の意味・読み・例文・類語

おもほし‐め・す【思召・思食】

  1. 〘 他動詞 サ行四段活用 〙 ( 動詞「おもほす(思)」に尊敬の補助動詞「めす」が付いてできたもの ) 「思う」の尊敬語。尊敬の度合は非常に高い。お思いになる。お考えになる。おぼしめす。
    1. [初出の実例]「いかさまに 御念食(おもほしめせ)か〈略〉楽浪(ささなみ)大津の宮に 天の下 知らしめしけむ」(出典万葉集(8C後)一・二九)

思ほし召すの語誌

( 1 )続日本紀宣命」では、「聞こす」の場合は「聞こし召す」の形しかないが、「思ほす」の場合は「思ほし坐す」と「思ほし召す」の二種が見られる。オモホシマスの方が先行しているので、まず「思ほし坐す」が成立し、のち「聞こし召す」などの類推から、「思ほし召す」が一般化していったものと考えられる。
( 2 )神や天皇の行為に使われ、「思ほす」よりもさらに一段と敬意が高かった。

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