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急就篇 きゅうしゅうへんJi-jiu-pian

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

急就篇
きゅうしゅうへん
Ji-jiu-pian

中国,前漢末の史游 (しゆう) の作と伝えられる文字教本。類書のうち完存する最古のもの。3~7字を1句として,物名や姓名などを,韻をふみ,口で唱えやすいように配列してある。同じ字は重複することなく,初心者の識字のためにつくられたもの。「急就」とはその初めの2字による。また,その押韻は音韻史の資料ともなっている。

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世界大百科事典 第2版の解説

きゅうしゅうへん【急就篇】

書物の名。中国,日本ともにこの名の書物があるが,日本のものは中国のものの名を借りたもの。(1)Jí jiù piān 中国,漢の史游の著。字書の一種で,児童など初学入門のものに文字ならびに当時〈章草〉と呼ばれた草書体を教えるためのものであったと考えられる。《急就章》とも呼ばれることがあるが,その場合〈章〉はこの章草の意味である。〈急就の奇觚 衆と異なり〉に始まり,姓氏,衣服,飲食,器物,音楽,身体等に類別された文字が,多くは一応の意味上のつながりをもつ7字句,あるいは3字句,4字句の形をとって並べられている。

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世界大百科事典内の急就篇の言及

【辞書】より

…それに,これもそうした歴史的な慣習の問題だが,そういうふうに,現在的意味で確実に辞書,辞典でありうるものを含まぬ反面,この〈字書〉という分類は,逆に現在普通にいう辞書とはやや遠いものを含むこともある。《四庫全書総目》の〈小学〉類は,第1類〈訓詁〉,第2類〈字書〉,第3類〈韻書〉の3類に分かれているが,〈字書〉というときこの第2類に含まれる(1)識字教科書としての分類語彙集=《史籀(しちゆう)篇》《蒼頡(そうけつ)篇》《急就篇》など,(2)字形によって文字を分類解説したもの=《説文解字》《字林》《玉篇》《竜龕手鏡(りようがんしゆきよう)》《類篇》《字彙》《正字通》《康熙字典》など,(3)字体についてその正俗等を規定しようとするもの=《干禄(かんろく)字書》《五経文字》《九経字様》など,等々が〈字書〉と呼ばれるほか,1類から3類まで〈小学〉類に属するもの全体を〈字書〉ということもある。〈字書〉は,したがって広狭2様の場合があることになる。…

【文字学】より

…文字学とかかわりをもつ最も古い書物は,今でいう識字課本の類である。周の《史籀(しちゆう)篇》,秦の《蒼頡(そうけつ)篇》,漢の《急就篇》など,日常の文字を韻語でつづり記憶に便なるよう編集された。漢代に入ると,儒教が国教となり,古典の読解力が要求されるようになった。…

※「急就篇」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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