恋の鞘当て（読み）コイノサヤアテ

デジタル大辞泉

恋こいの鞘当さやあて

《遊里で一人の遊女をめぐって二人の武士が鞘当てをする歌舞伎の題材から》恋がたきどうしが争うこと。また、その争い。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

こい【恋】 の 鞘当(さやあて)

1. ( 遊里で一人の傾城をめぐって二人の武士が鞘当をする歌舞伎の題材から ) 恋敵同士が争うこと。また、その争い。鞘当。

出典　精選版 日本国語大辞典

故事成語を知る辞典

恋の鞘当て

恋敵同士が争うこと。また、その争い。

[使用例] 若い男女がたくさんいる関係上、わが家がそのほうのことで、波風が立たぬわけがなかった。プロポーズをしたり、恋のさやあてをしたり、いろいろであった［畑正憲＊わが王国の住人たち｜1982］

[由来] 一人の女性を争っている二人の武士が、刀の鞘が当たったたことから争いを始めるという、歌舞伎の趣向の一つから。一六九七年に江戸中村座で上演された「参さん会かい名な護ご屋や」が最初のもの。現在、上演される「鞘当」は、一八二三年に江戸市村座が上演した「浮うき世よ柄づか比ひ翼よくの稲いな妻ずま」から、吉原仲の町の場だけを独立させたものです。

出典　故事成語を知る辞典