恍ける(読み)トボケル

デジタル大辞泉 「恍ける」の意味・読み・例文・類語

とぼ・ける【×恍ける/×惚ける】

[動カ下一][文]とぼ・く[カ下二]
聞かれたことに対して、わざと知らないふりをする。しらばくれる。「肝心の点になると―・ける」
どことなく間のぬけたこっけいな表情しぐさをする。「―・けた味がある」
老いて頭の働きが鈍くなる。ぼける。
「―・ケテ我ガ子ノ顔モ知ラヌ」〈和英語林集成
[類語](1知らんぷり頰被りかまととしらばくれるそらとぼけるしらを切る

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精選版 日本国語大辞典 「恍ける」の意味・読み・例文・類語

とぼ・ける【恍・惚】

  1. 〘 自動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]とぼ・く 〘 自動詞 カ行下二段活用 〙
  2. わざとしらないふりをする。そのことに気づいていないようにふるまう。しらばくれる。〔文明本節用集(室町中)〕
    1. [初出の実例]「すりゃ、身共に金子を用達てたと云ふのか、恍(トボ)ける事はないわい」(出典歌舞伎傾城忍術池(1785)三)
  3. 滑稽な言動をする。また、間抜けのように感じられる。
    1. [初出の実例]「とぼけた顔をし、剽軽な事を云ひ」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉三)
  4. ぼんやりする。うっかりする。
    1. [初出の実例]「雞とぼけて宵鳴きすれば」(出典:浮世草子・好色五人女(1686)二)
  5. 年をとって頭の働きが鈍る。ぼける。老いぼれる。
    1. [初出の実例]「Tobokete(トボケテ) ワガコノ カオモ シラヌ」(出典:和英語林集成(初版)(1867))

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