恰好(読み)かっこう

精選版 日本国語大辞典 「恰好」の意味・読み・例文・類語

かっ‐こう‥カウ【恰好・格カク好】

  1. ( 「こうこう(=恰好(かふかう))」の変化した語。「恰」はあたかも、ちょうどの意 )
  2. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ( 形動 ) ( ━する ) 基準、標準と合うこと。ちょうど合うこと。ふさわしいこと。また、そのさま。かっこ
      1. [初出の実例]「撰恰好之名、重可献之由、被仰出也」(出典蔭凉軒日録‐寛正三年(1462)八月三日)
      2. 「日本の古歌にも、秋の夜は月に心のひまぞなき出るを待と入るを惜むと此詩と恰好する也」(出典:中華若木詩抄(1520頃)下)
    2. ( 形動 ) 値段がちょうど手ごろであること。安いこと。また、そのさま。かっこ。
      1. [初出の実例]「しみったれな裁屋(きれや)だから直は恰好(カッカウ)だが、代物が少へはな」(出典:滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二)
    3. ( 形がちょうどよいというところから ) 姿、形、様子。見かけ。かっこ。
      1. [初出の実例]「ぢざうのかっこうを、かなぼうしがくらいに申た」(出典:虎明本狂言・金津地蔵(室町末‐近世初))
      2. 「早桶に手を懸けて見れば、かっかうより軽し」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)四)
    4. そのようにはたから見える状態。様子。
      1. [初出の実例]「七十歳近いおじいさんと後妻の四十歳くらいの小母さんの二人暮しで、部屋の余裕があるから、中学生の世話をしているというかっこうなのである」(出典:彼の歩んだ道(1965)〈末川博〉三)
    5. 体裁体面。かっこ。
      1. [初出の実例]「『いっそ心持がわるい』『瘡(かさ)か』『ヱヱモ何の事った、かっかうの悪い』」(出典:洒落本・寸南破良意(1775)伴頭株)
  3. [ 2 ] 〘 造語要素 〙 ( 「がっこう」とも。「年(とし)かっこう」の形、また、上に年齢を表わす数を伴って用いられる ) 姿、様子などがその年齢にふさわしく、ちょうど合っていること。ちょうどその年齢くらいであること。およそその年齢であること。かっこ。
    1. [初出の実例]「奥坐舗の長手の火鉢の傍に年配四十恰好(カッカウ)年増」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)

かっ‐こ【恰好】

  1. 〘 名詞 〙 「かっこう(恰好)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「一ぺんあんたのはだかの恰好(カッコ)見せて欲しいなあ」(出典:卍(1928‐30)〈谷崎潤一郎〉五)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「恰好」の読み・字形・画数・意味

【恰好】あたかもよし

丁度よい。

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