恵運院(読み)えうんいん

日本歴史地名大系 「恵運院」の解説

恵運院
えうんいん

[現在地名]甲府市塚原

鐘推堂かねおしどう山南麓にある。長松山と号し、曹洞宗本尊釈迦如来。武田信縄が一族の僧清遠を迎えて再興し、真言宗から曹洞宗に改宗したと伝えられる(甲斐国志)。古くは恵雲院とも表記した。「寺記」は信縄(恵雲院殿)開基とするが、大永三年(一五二三)武田信虎が信州定津じようしん(現長野県東部町)から雪田宗岳を招聘して開山としたため、清遠は自らを開基にしたといわれる(甲斐国志)。しかし当寺所蔵の絹本著色雪田和尚画像(県指定文化財)の賛に「前永平恵雲第二世徳隣開山雪田岳和尚像」とあることから、雪田は清遠を開山とし、自らを二世としたことが明らかである。当初、恵運院は雪田との関係から定津院を本寺としたが、のちに興因こういん寺末に属した(甲斐国志)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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