雪がとけていく際に,くぼ地になったところなどで,吹きだまりの雪がいつまでも残るところがある。そのような場所を雪田という。いつまでも雪が残るということは,植物にいろいろの影響を与える。植物が春になって芽を伸ばし葉を広げる時期と雪との相関からいうと,積雪は厳しい寒気や強風から植物を保護する効果が大きいことが知られており,雪田で雪の下に埋もれて芽の準備を整えていた植物は雪がとけ去ると一斉に展開を始めて植生を形成する。一方,周辺で風と凍結にさらされていた場所では,芽が厳重に保護されていたものだけが生き残り,厚い壁から抜けだして芽を伸ばし葉を広げていくのに時間を要することになる。雪田の植物は,高山のお花畑に典型的に見られるようなものである。
執筆者:岩槻 邦男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…雪渓の周囲では植物の生育期間が短すぎるので植物の生えない裸地となり,凍結・融解の繰返しによって壊された岩石が融雪水などの働きで除去されるため,雪食作用とよばれる浸食を生じる。雪渓はまた雪田ともよばれ,比較的早く雪の消えるところでは,融雪水の影響で常に湿った場所に,雪田植生とよばれる独特の植物群落を生じる。【小野 有五】。…
…夏の融雪期にとけきらずに残る越年性の氷雪の広がりを指す。山地では雪渓や雪田をつくるので,現在では〈越年性(多年性)雪渓〉と呼ばれることが多い。実際には1年でできるのに,それを“万年”雪と呼ぶのは適切でないからである。…
※「雪田」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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