愁人(読み)しゅうじん

精選版 日本国語大辞典 「愁人」の意味・読み・例文・類語

しゅう‐じんシウ‥【愁人】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 悲しい心を抱いている人。なやみのある人。
    1. [初出の実例]「愁人慟哭類虫声、落涙千行意不平」(出典新撰万葉集(893‐913)上)
    2. 「沅、湘日夜東に流れ去る。愁人の為にとどまること少時もせず、といへる詩を見侍りしこそ、哀れなりしか」(出典:徒然草(1331頃)二一)
    3. [その他の文献]〔戴叔倫‐湘南即事詩〕
  3. もののあわれを解する人。風流人詩人文人
    1. [初出の実例]「かじか此夕べ愁人は獼(さる)の声を釣る〈其角〉」(出典:俳諧・虚栗(1683)下)
    2. [その他の文献]〔傅玄‐雑詩〕
  4. 恋人。愛人
    1. [初出の実例]「不忍池の夜色愁人を憶はしむる事切なり」(出典:我鬼窟日録〈芥川龍之介〉大正八年(1919)九月一七日)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「愁人」の読み・字形・画数・意味

【愁人】しゆう(しう)じん

愁いをもつ人。唐・清江小雪〕詩 愁人は、正に書の下に在り 一片飛び來(きた)れば、一片

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